不動産査定の実地調査を訪問査定で行う業者選定

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不動産ストック事業と連携

ここ数年、上場不動産企業などのIR(投資家向け広報)情報を見ると、しばしば「不動産ストック事業(ビジネス)」という言葉が使われている。不動産ストック事業とは不動産フロー(新規の住宅・不動産開発)事業と対比される言葉で、意味は読んで字のごとく、今現在世の中に存在する住宅・不動産(不動産ストック)に対して、何らかのサービスを提供するビジネス全般を指すことが多い。

具体的には、不動産の貸し借りに携わる賃貸ビジネス、中古不動産の売買を仲介(マッチング)する売買仲介ビジネス、不動産の日々の清掃や保守、メンテナンスを行う不動産管理ビジネス、経年劣化に応じて磨耗する住宅設備の取り換えや、建物価値を再生するための大幅な改修工事を手がけるリフォーム・リノベーシヨン・ビジネスなど、その範囲は広い。

戦後の日本は高度成長期を迎え、住宅も世帯における必要最低限の資産の位置づけとして、「保有すること」そのものに意味を見いだした時代が長らく続いた。一方で、当時はまだ資材や職人の不足、そして購入者の資金が不足していた背景もあり、まず「質より量」を優先する政策を政府もまた推進せざるをえなかった。

結果、住宅不足の時代から住宅大量供給を実現することになったものの、同時に住宅の使い捨て文化を日本に根付かせてしまったという、負の遺産を残すことになった。

いわゆる住宅における「スクラップ&ピルド」という考え方である。ここ数年、図らずもこの「スクラップ&ピルド」という考え方が見直されている。その背景には、これまで見てきたとおりフローの急激な縮小が挙げられる。

ハウスメーカーやデイベロッパーなども、フロービジネスの縮小が顕在化する中、ストックビジネスにその生き残り策を求めつつあるといえる。いずれの事業者も、過去に自社が建築した住宅ストックが相当数ある。よってその過去の自社建築住宅に対するリフォーム事業や不動産管理事業、中古売買仲介事業などの不動産ストックビジネスにより注力するというのが、ここで取り上げる戸建て住宅開発企業2つ目の勝ち残り策の考え方である。

大手ハウスメーカーでは、これまでもそのような試みはあったものの、新築の建築請負工事と比較して、相対的に受注金額が小さいことに加え、事業モデルそのものが労働集約的で、かつ煩雑で手聞がかかるわりにはその利幅も大きくないなどの理由により、実際にはそれほど積極的に拡大してこなかった。

しかし、2020年の住宅・不動産市場の環境を予測すると、まさにこの不動産ストック事業での収益モデルが確立されているか否かという点は、戸建て住宅開発事業者においては死活問題になりかねない。もちろん大手企業の場合、自社内のみならずグループ子会社などにおいて、これらのモデルをグループとして確立する必要があるだろう。

また中堅、地場工務屈などにおいても自社で建築した施主とのリレーションシップ(関係)を、最大の自社の経営資源・財産と捉え、不動産ストックビジネスに参入・強化することの必要性は言うまでもない。

その意味において、後に詳細を見ていく各不動産ストックビジネスと、ここで取り上げた戸建て開発事業との事業セグメント聞の境は、徐々に薄れていくことが予想される。顧客との長期的な関係を前提とした総合的住宅サービス事業という、新たな事業ドメインをどれだけ具現化させるか。規模の大小にかかわらず、すべての戸建て住宅開発事業者に求められる2020年に向けての最も重要な視点の一つといえる。

ファイナンス事業

新築住宅には、さまざまな金融プレーヤーがファイナンスを提供している。代表的な各種住宅ローンも、今ではその仕組みなしには新築住宅市場が成立しないほど、その役割は大きいものとなっている。

言うまでもなく購入者から見た住宅の購入価格とは、単に物件の販売価格のみではない。登記費用や印紙代などの諸経費ほか、その負担が最も大きくなるものの1つが住宅ローンの金利である。そのため、ローン金利ーっとってみてもさまざまな種類が存在する。

変動金利、固定金利、変動と固定を合わせた金利といった、金利体系による違いのみならず、一般的な民間金融機関によるローン以外にも、さまざまな発行主体によるローンが存在する。

たとえば、独立行政法人である住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が提供する長期固定金利の「フラットお」。これは民間金融機関が窓口となり販売される住宅ローンで、金融機関は受け付けた住宅ローンを証券化の手法により住宅金融支援機構に対して売却するという形式をとる。

また財形住宅融資とは、財形貯蓄を行っている勤労者に対し、財形貯蓄残高に応じて住宅資金を事業主、事業主団体および福利厚生会社を通じて(転貸)融資する制度。

5年固定の変動金利タイプで融資限度額は最高4000万円(ただし、財形貯蓄残高の2倍まで)。夫婦でそれぞれ申し込みが可能であり、「フラットお」との併用も可能である。勤務先を窓口とする「転貸融資」と公庫(住宅金融支援機構)を窓口とする「公庫財形」がある。

このように新築住宅に対するローンは、金利の種類や発行主体もさまざまで、利用する側から見ても一定の選択肢があるといえる。戸建て住宅開発業者としては、住宅購入の際にほぼ必ず必要となるこの住宅ローンに対するサポート体制を、他社との差別化要素のーっとして確立することは、商品や価格による差別化と同様、大変重要な視点といえるだろう。

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